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葬儀のエトセトラ

御骨にまつわるエトセトラ①

2025.06.21

御骨にまつわるエトセトラ①

今回は収骨方法(火葬場で御骨を拾うこと)とその御骨を納める御骨壺について触れてみます。

 

三通りの収骨方法がある!?

北九州市でしかお葬式の経験がない方にとっては、そもそも収骨方法に違いがあることすら驚きかもしれませんが、収骨の方法は大きく分けて「部分収骨」「全収骨」「収骨しない」という三つの方法があります。

 

北九州市では一般的には部分収骨という形をとります。

部分収骨とは、火葬後に遺骨の一部のみを拾い上げて骨壺に納める方法です。

具体的には、頭蓋骨や背骨、喉仏など主要な骨を選んで収骨します。

対して関東圏では火葬後の遺骨(遺灰を含む)を全て持ち帰る全収骨が一般的です。

 

 

部分収骨が行われるようになった背景

東日本と西日本で収骨方法に違いが生まれた歴史的背景は明治時代に遡ります。

明治元年、明治政府は神道と仏教を明確に区別するため、神仏分離令を発布。

その後、仏教的とされた火葬を明治6年に禁止に。

しかし、衛生面の問題から2年後にこの火葬禁止令は廃止となり、この際に、火葬後の遺骨は全て持ち帰る様に通達されました。

関東ではこの通達が行き渡り、全収骨の風習が定着しました。

一方、西日本では通達が十分に伝わらずに従来の部分収骨の風習が続いたと考えられています。

また、関西には宗派の総本山が多く存在し、総本山に収める本骨(喉仏部分)を重視する文化があり、本骨を中心に収骨し、残った遺骨は火葬場で供養してもらうのが主流だったため、通達が行き渡らなかった際に元々のスタイルに戻ったとされています。

 

関東圏では御骨壺の大きさは一般的に7寸。テレビドラマや著名人の葬儀などの際にちょっと気を付けて観察してみてください。

 

御骨壺のサイズ

収骨する数・量が異なることもあり、部分収骨と全収骨では、使用する骨壺のサイズが異なります。

部分収骨では主要な骨のみを収めるため、3寸から5寸(直径約9.5cm~15.5cm、高さ約11cm~17.5cm)の小さめの骨壺が使用されます。

全収骨では、遺骨をすべて収めるため、一般的に7寸(直径約21.7cm、高さ約29cm)の骨壺が用いられます。

著名人の関東圏でのお葬式のテレビのニュース映像やドラマなどでお葬式の場面がある時など注意深く見ると、御骨壺が北九州でよくみるサイズよりはるかに大きいことに気づくかもしれません。

全収骨の場合、遺灰まで含めて遺骨をすべて持ち帰り、その後お墓や納骨堂などに納めます。
対して部分収骨では主要な骨のみを持ち帰り、残りの遺骨は火葬場で供養されることが一般的です。

 

 

本山に納骨をする

関西を中心に多い習慣として、本山納骨があります。部分収骨で拾い上げた喉仏や主要な骨を、本山や寺院の納骨堂に納める供養方法です。
収骨の際には喉仏の骨を収める本山用の骨壺と、胴骨を収めるお墓用の骨壺の2種類が用意されることがあります。

関西地方では喉仏の骨が本山供養されるなど、他の骨と比べて重要視される風習があります。
喉仏の骨は仏が座禅を組み、合掌している姿に見えることから、大切にされるようになったと言われています。



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