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お葬式の費用について -必ずしも必要でない費用⑤-
2025.12.21
長期連載となりましたが、今回のお題は今回で完結です。
最後に、『葬儀会社に対して支払う費用とは別の費用』について見ていきましょう。
下記の「宗教者へのお礼」についてはお葬式の形態により有無が分かれますが、「死亡診断書や死体検案書の発行手数料」と「火葬料」は基本的に必ず必要になります。
【死亡診断書や死体検案書等の発行手数料】
医療機関から発行される亡くなったことを証明する書類で支払先はそれぞれの医療機関。
病院で亡くなられた場合や自宅療養中の看取りで亡くなった場合に発行されるものが死亡診断書。
病院や自宅での看取り以外で亡くなった場合(事故死・突然死・自死・異常死)、医師が容態の経過を把握していない場合に検案した医師が発行するのが死体検案書。
(この場合、医師の検案の前に警察による検視があります)
死亡診断書も死体検案書も書式は同じです。
死亡診断書は3,000円から5,000円程度、死体検案書は30,000円から50,000円程度の発行手数料がかかります。(医療機関によって異なります。)
【火葬料】
多くの場合は自治体への支払いとなります。
北九州市の場合は下記の様になり、支払先は死亡届を提出した役所になります。
市内に住民票を置いている場合(《》は市内に住民票がない場合)
大人(10歳以上)15,000円《55,000円》
小人(10歳未満) 7,500円《44,000円》
死産児 3,700円《22,000円》
因みに東京都23区内の火葬料(東京博善を利用した場合)は90,000円(一部例外あり)。
火葬料高騰のお話については以前このコラムでも取り上げましたし、新聞でもネットニュースでも取り上げられた通りです。
以前お話しましたが、北九州市の火葬料については、北九州市内に住民票があるかないかで火葬料は変わってきます。
【宗教者へのお礼(お布施や寄付など)】
これを「費用」としたり「支払う」としたりするのは、表現としてはあまり正しくありませんが、便宜上ここで取り上げることにします。
仏式でいえば僧侶にお渡しするお布施のことです。
葬儀の打ち合わせの際によく「どのくらい包んだらよいのか」というご質問がありますが、この場ではそれに言及することは難しいので「お気持ちで」としか表現できません。
商取引の様に「読経の”対価”」として単一的に考えるのではなく、供養ごとに対してのこれまでのお付き合いやこれからのお付き合いのことを考慮してお包みするのがよいでしょう。

費用についてあまり難しく考えずに弊社に事前相談いただければよりよいご提案をさせていただきます。弊社以外の葬儀会社とも比較してみてください。
【最後に】
これでお葬式にかかる費用面についてほぼ見てこれたと思います。
ここでは触れていませんが、葬儀会社に支払うものには言わずもがな項目のそれぞれ、もしくは全体を見た時に、これはあくまでも会社側の都合ですが、人件費を含めた必要経費が上乗せされている、もしくはそれぞれに含まれると考えるのは当然のことです。
組織が大きくなればそれに見合った経費が必要ですし、人件費以外でもネット広告・テレビCM・折り込みチラシ等を乱発している会社ならそれなり経費が必要です。
それがどの程度葬儀代にオンされるのかは各社考えが異なるでしょうから何とも言えませんが、これは仕方ありません。
ただ、先ほども触れましたが、過剰な加算は考えものですので、バッサリ断ることも必要です。
今回複数回を通して、お葬式に「(ほぼ)必要な費用」「必ずしも必要でない費用」を見てきましたが、「(ほぼ)必要な費用」でも選択するものによっては、費用を切り詰めたものにはなりませんし、「必ずしも必要でない費用」が絶対悪ではありません。
望むことであるなら、寧ろそれらは故人や残された家族にとって必要なものになります。
これは会葬御礼品以外でも日程を含めた葬儀内容や料理などでのお葬式あるあるですが、喪主を中心とした近い家族と遠い親戚ではお葬式の価値観が共有出来てないことが多く、近い家族がよしとしていることを必ずしもその親戚が理解してくれるとは限りません。
発言力が強い親戚がいる場合などは特に慎重に内容を決める必要があります。
お葬式は、亡くなられた方の思いや生前の生き方と残された家族の思いや事情等いろいろなことを考慮して、作っていくものです。
私たちはその気持ちを大事にして、全力でその段取りをすることで、故人とのお別れの時間や場を提供しているに過ぎません。
お葬式は残された家族のために行うものであって、葬儀会社のものではありません。
ですので、残されたご家族にとってお葬式をするにあたり、何が必要で何が必要でないかを決めるのは残されたご家族で、葬儀会社ではありません。
稀に、さも葬儀会社が「お葬式で家族に感動を与える」かの様な宣伝広告を見かけることがありますが、仮に葬儀会社が全力を尽くしたことでよいお別れの場を準備することが出来て、結果的にご家族が感動していただけたのならともかく、葬儀会社がその様に謳うのは少々おこがましいような気がします。
お葬式のことを考え始めた時や考えざるを得なくなった時に、今回取り上げた内容を頭の片隅において、どの様なお葬式にするのかの参考にしていただけると幸いです。









