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お葬式の費用について -(ほぼ)必要な費用②-
2025.11.17
数か月前に報じられた葬儀の費用を巡るトラブルについて、ここで取り上げているうちに、11/9付けのある新聞にまたしても格安葬儀プランでの高額請求トラブルが報じれらました。
似たような事例もここ北九州でも耳に入ってくるので、新聞記事もおそらく事実に基づいた記事なのでしょうが、何とも複雑な思いです。
さて、今回も前回に引き続き、お葬式に(ほぼ)必ず必要な費用を見ていきましょう。
【骨壺】
火葬後の遺骨を納める容器。
海外では土葬であったり、火葬であっても骨が残らないように焼き切るのが一般的だそうで、遺骨を拾い骨壺に納めるのは仏教的な考えに基づく日本独特の風習・習慣であり、お墓に御骨を納めることで手を合わせ偲ぶ対象にすることは、多くの日本人にとって大切に思っている行為なのだと思います。
また力尽きて倒れた人の面倒を見るという意味で「骨を拾う」という言葉もありますし、骨という字を使ったことわざや慣用句なども多いので、骨というものをその人そのもの、またその人の生前の思いと結びつけることは日本人のDNAにあるものなのかもしれません。
以前このコラム内で触れたことがありますが、どのくらいの量の遺骨を拾うかはその地域の文化や風習によるところが多く、骨壺の大きさには複数種類があり、当然価格も違ってきます。
北九州では5寸壺を使うのが一般的ですが、関東では7寸壺が一般的だそうです。
もちろん北九州で7寸壺を使うことも可能ですが、納骨する場所によっては7寸壺に対応していないところもありますので、必要な場合は問い合わせてみることをお勧めします。
またメインの骨壺とは別に骨壺を準備して分骨するのであれば費用は追加となることが多いでしょう。
(御骨・骨壺については以前このコラム内で詳しく取り上げました。「御骨にまつわるエトセトラ」の回を参照ください。)
骨壺も、大きさ・装飾の有無・材質の違い等によりベーシックな価格帯のものから高価格帯ものものまで様々な種類があり、棺と同様に「高額請求トラブル」のもとになるもののひとつです。
骨壺もどの様なものにするのかは棺と同様に考え方の違いによるところが多いですので、故人の生前の生き方や想いを感じられるもの、残されたご家族や亡くなった本人の意向が反映されれば、それが一番なので、どのような骨壺を使っていただいても問題ありません。
実際のお葬式の打ち合わせの場面で、もし担当者が高価なものを提案してもそれを鵜呑みにする必要はありませんのでよく検討してください。
もうひとつ。
こちらも以前コラム内で触れましたが、北九州市では「御骨を拾わない」という選択肢を取ることが出来ます。
いろんなことを考えると、あまりオススメ出来ない部分もありますが、御骨を拾わないのであれば骨壺に費用はかかりません。
(なので冒頭で「ほぼ」必ず必要な費用としています。)ただし各社のHPにあるプランを見ていると骨壺はセットになっていることがほとんどなので、お葬式の費用総額としてはあまり変わらないかもしれません。

お葬式をするにあたって、規模や費用の大小に関わらず決めなければいけないことはたくさんありますが、よく担当者と話をして決めていきましょう。
【ドライアイス】
心拍が停止し、血流が止まるとご遺体はゆっくり変質していきます。
この変質の進行を抑えるためにお身体にあてて使用するのがドライアイスです。
ドライアイス一回の使用で24時間程度の効果があります。北九州市の場合、ご逝去の翌日に火葬することが多いので、その場合ドライアイスの使用は一回のみとなることがほとんどでしょう。
北九州市の場合、東京23区の様に火葬場の都合のみで何日も出棺の日が先延ばしになることはほぼありません。
もし、北九州市において、「火葬場が空いてなくて、火葬は3日後です」などと言われたら、それは悪質な業者に間違いありません。ご注意を。
何らかの事情で出棺(火葬)する日の日程を先延ばしにすれば、その日数によりドライアイスの使用回数が増えます。また夏場や、ご安置の状況によっては日数以上にドライアイスを使用する場合もあります。
【施設使用料等】
各社で名称は違うと思いますが、葬儀会社の建物内でお葬式のサービスを受ける場合、棺や骨壺等の備品以外に当然、安置場所やお葬式の会場・式場が必要になりますが、この場所の使用料のことです。
その他にも施設を利用するのあたっての備品等の使用についても費用がかかる場合がほとんどでしょう。
サービスに対して場所・会場を提供することが必然となる業態ではこの費用はある一定の割合で必ず必要になります。
それは葬儀会社でも同様です。
霊柩車の話同様で、これまた変な話ですが、葬儀会社の葬儀場を必ず使うのに、お葬式のプランにこの施設使用料を含めていない葬儀会社もあります。
「家族葬10万円」と謳っていても、広告の隅に小さな文字で、「このプランに斎場使用料、サービス料等は含まれていません」などと注意書きがあったりします。
しかもその「家族葬」はいわゆる「直葬」だったりします。
自宅葬・お寺でのお葬式では、場所の提供による使用料はかかりませんが、お葬式の体裁等にかかる費用は存在します。
また、お寺でのお葬式では葬儀会社に支払う施設使用料等は不要でしょうが、お寺に対して何らかのお礼が必要になるでしょう。
以前お話しましたが、直葬においても、よほどの条件が揃っていないと言葉通りの直葬にはならず、一度どこかに安置をする必要が出てきます。
これがご自宅等でなく葬儀会社の施設であるならば、やはり使用料がかかるでしょう。
冒頭の様に各社で名称は異なるでしょうが、施設の使用料的な費用や備品の使用料等はまず間違いなくかかります。
なので、例えばお葬式のプランがあるのならば、この費用がプランに含まれているのか含まれていないのかで、トータルの費用は大きく変わることになります。
【その他】
ご逝去された時の状況によっては、病院や施設で亡くなられた時とは違う費用がかかる場合もあります。またイレギュラーな場合にはその費用が追加されることもあります。
これらの場合にかかる費用については、提示された時に、詳細を尋ねることをおすすめします。
上記の費用はいわゆる広義まで含めたの直葬にかかる費用とお考えいただいてよいかと思います。
(もちろんその場合、棺や骨壺等の備品はベーシックなもの、その他も基本料金としてのお話ですが)
今回はここまで。
次回からは「お葬式に必ずしも必要ではない費用」についてお話していきます。








