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お葬式を執り行う方法やその呼ばれ方・名称②
2025.09.20

今回は前回の続き。お葬式のいくつかの形について触れてみます。
「密葬」と「家族葬」
密葬とは、後日、一般参列者向けに本葬やお別れ会を行う前提で執り行われる葬式のことをいいます。
後日改めてお別れの場を設けるため、密葬には家族や親戚、親しい友人知人など限られた人たちだけが立ち会うことが一般的で、基本的に葬式が執り行われることを周囲に口外しません。
つまり秘密に行うから密葬なのです。
財界人・政治家・芸能人などが行うことが多い様です。
対して、家族葬とは、家族や親戚を中心に時に親しい友人知人を加えて、後日改めて本葬を開催しない、それ自体が本葬である葬式を指します。
(家族葬については以前ここで触れましたので気になる方は遡って読んで頂けると幸いです。)
もちろん、厳密に言えばの話であって、一般の方が周囲の人に家族葬のことを密葬と呼んでも大きなトラブルに発展することはほとんどないでしょうが、そのような違いがあります。
「直葬」とは
読んで字の如く「直接に」「直ぐに」葬送することで、病院や施設、自宅などの亡くなった場所等から直接火葬場に故人をお連れして火葬をすることで、費用を最小限に抑えることに特化した葬送方法です。
しかし法律の縛りで亡くなってから現実には24時間経過しないと火葬出来ないということもあり、本来の意味での直葬は、よほど条件が揃っていない限り出来ません。
ですから、使用可能な場所での安置の時間を経て、儀式的要素を無くした状態で出棺することを含めて直葬と呼ぶこともあります。
時々この様な形態を「直葬」ではなく「火葬式」と呼称している葬儀会社もあります。
最近よく広告等で目にすることですが、この火葬式のことも含めて「家族葬」と宣伝している葬儀会社が存在します。
以前家族葬のことに触れた回でも説明しましたが、「家族葬」なるワードは厳密に規定されたものではなく、各葬儀会社が個別に打ち出しているもので、各葬儀会社で考え方が違いますし、また一般の方が思い浮かべる家族葬も千差万別です。この考え方の差をうまく利用して、悪いことを企む葬儀会社があるのも現実です。
同じ業界にいる者として残念な話ですがこれが実情です。
「家族葬○〇円~」と大々的に広告を打って集客しているが、実際に行われるのは「火葬式」。
ご遺族が想定していない内容に異を唱え内容の変更希望を伝えると急に高額なプランになったり、オプションが追加されたりで、結局想定の数倍の費用になってしまった、なんて話はよく聞く話ですので、注意が必要です。
葬儀会社の担当者と意思疎通が図れないと思ってもみない費用を請求されてしまうことがあります。打ち合わせは慎重に。わからないことは必ず尋ねましょう。
「一日葬」とは
読んで字の如く、「一日で行う葬儀」を指します。
一般的に仏式の葬儀では通夜・葬儀と二日に亘って(場合によってはさらに延びることもありますが)行われますが、このうち通夜を省略して葬儀(及び告別式・火葬)を一日で執り行う葬儀です。
さて、「一日葬」について考えた時に、少し細かく触れた方がよい様な気がしてきましたので、次回は「一日葬」について掘り下げてみようと思います。