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住民票と本籍③
2025.08.16

お葬式の話とは全く関係ありませんが、結婚(法律婚)をする際に「結婚しました」ではなく、「入籍する」という表現をすることがありますが、厳密にいうと現在、戦後に新しく改正された民法の下では「結婚(特に初婚同士の場合)」と「入籍」はイコールではありません。
難いこと言わず「入籍」でいいじゃん、通じるんだし。というのもそれはそれで別にいいんですけどね。
結婚した時に「入籍」という言葉を使うこと
戦前の旧民法の家族制度(家父長制度)に基づいた戸籍では、女性は結婚すると男性側の「家」である戸籍に入るのが一般的で、これが「戸籍に入る」、つまり入籍。
いまだにある「入籍=結婚」というイメージはこの影響下にあるものと思われます。
ですから結婚時に婚姻届を提出し夫婦で新しく戸籍を作成する様になった現在では、結婚の意味で「入籍」という言葉を使うのは正確な表現ではないのです。
また別に「入籍届」というものがあります。
法律婚の場合、婚姻届を役場へ提出しますが、それとも別物です。
入籍届とは父母の離婚などによって、父または母と氏(戸籍)が異なる子どもが、父または母、もしくは父母と同じ戸籍に入るための届け出です。
これも結婚や婚姻届とは別物なので、「結婚=入籍」とするにはこれまた違ってきます。
ただ、初婚での結婚後に離婚すると、この戸籍の筆頭者の方は既に両親から独立した新たな戸籍を作っていることになるので、この方が再婚される場合に配偶者になる方がその戸籍に入る場合は「入籍」という言葉を使っても問題なさそうです。
冒頭の話に戻りますが、芸能人などが単に結婚したという意味合いで「入籍した」という表現を使うのは、正確性には欠けており、正しい表現ではないということです。
一般の方が受ける印象からすれば「結婚した」という雰囲気がよく伝わってはきますが。
電子化される以前の昔の戸籍謄本はこんな感じで枠内は手書きでした。
自分の本籍を知るには?
本籍を覚えていらっしゃらない方が多いと先述しましたが、「じゃあ、本籍を知るにはどうしたらよいのか?」
一番安価で正確なのは区役所等で、本籍が記載された住民票(住民票記載事項証明書)を取得することです。
北九州市であれば一通300円です。
(住民票取得の方法は各自治体へお問い合わせください。)
また以前、この老舗の知恵袋の「ファミリーヒストリー」の回でも触れましたが、この機会に自分自身や両親の戸籍謄本を取得してご自身や家族のルーツを探ってみてはいかがですか?
※戸籍についてはいろいろ事例があり、ここでは全ての例を網羅することは出来ませんので、その点はご了承ください。