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葬祭業者の社会的責務
2026.05.09
昨今の新聞報道の事件
同居する高齢の親の遺体を放置した疑いで息子や娘が逮捕されるという事件が時折報道されます。
先日も、この様な事例で息子が逮捕される事件が報道されたのですが、警察の対応に賛否両論がありました。
多くの場合、この様な案件では、長期にわたって遺体を放置していても、異変に気付いた親族や自治体職員等が警察に相談し発見に至るという事例が多く、またそこには亡くなったことを隠匿する意図(親の年金の不正受給の為)があったことが伺える事例が多いのですが、先の事例では警察の対応を疑問視するコメントが寄せられていました。
まず、新聞報道を基に事件の経緯について。
・男が「母親が亡くなっているがどうしたらよいかわからない」と警察に自首
・息子は母親と二人暮らしで、母親はベッドの上で亡くなっており、死後数日が経過
・遺体に目立った外傷はなく、警察は死亡した原因を調査中
・警察は同居する息子を死体遺棄の疑いで逮捕
新聞報道からはこの程度の情報しか得ることが出来ず、続報もないことから、それ以外の事件の詳細や事件の背景については分からない部分が多いのですが、少し警察の対応に疑問が残ります。
・息子は遺体を放置したことについて自首したのではなく、親が亡くなってしまい、どうしたらよいかわからずに警察に相談に言ったのではないか。
・「死後数日経過」について。数日は一般的には「2,3日」と解釈されることが多いが、この期間でも「放置」に値するのか。
日本の警察は優秀ですから、逮捕するのあたっては、今回の案件につてもきちんとした根拠があるのでしょうが、ここまでの情報だと、息子からの相談という扱いということで通常の検視の扱いでもよかったのではないかと気もしなくもないので何だかモヤモヤします。
実際、このニュースの一般の方からも「これで逮捕は気の毒ではないか」というコメントが多数ありました。
こういう報道を目にすると、葬祭業に携わる者として、一般の方とはおそらく違う思いで心を痛めます。

連日いたたまれない事件が報道されます。その中には、何か解決策があったのではないかと思う事件もあります。
葬祭業者の社会的責務
お葬式はこれまで社会のニーズに対応して変化してきました。
近年で言えば「家族葬」はその最たるものです。
しかし、それ以前のお葬式は家族はもちろん、親類縁者、隣近所、会社関係など様々なコミュニティを巻き込んだ大がかりなものでした。
それは葬祭業が誘導したわけではなく、時代のニーズがあったからこそです。
しかし、その残像はあまりにも強く、「お葬式は高額」という若干悪いイメージとなり現在に残っているのも確かです。
親が亡くなったことを意図的に隠す事件によくある背景として、「自分に収入がなく親の年金に頼っていた」「葬儀を出すお金が無かった」といった例もよく報道されます。
もちろんこれらの言い訳は身勝手であり、決して正当化されてはいけませんが、「お葬式は高額」というイメージだけが人々の意識の中で強く残っている様であるならそれはそれで問題で、人一人が亡くなった後にはどうするのか、どうしなければいけないのか、葬祭業者の社会的責務としてこういう不幸な事態を防ぐことは出来なかったのかと思う部分もあります。
次回に続きます。








